社会貢献のつもり霊能者など、霊能やスピリチュアルについて言及したり、下手に手を出したりしたために、他人に危害を与えてしまうことって結構あります。私が書いている記事も、術の記事なんかをオリジナル風に改造して実施してしまえば、精神を病んでしまうなどの被害が出てしまいますし、勝手に解釈して盗用する人間が出れば、それは他人に危害を与えることになるでしょう。また、自分の無知や見識の狭さから、誰かを傷つけることもあります。
スピリチュアルサービスを始めたばかりの人はとくに陥りやすく、下手をすると、人に危害を与える情報を発信してしまいがちです。その好例を見つけましたので、紹介します。
山で遭難したら「ブロック解除」?
問題の記事→削除されたようですね。読みたい方はこっそりメールくださいw
要約しますと、「山で迷子になった場合、どうしても人間は沢を下りがちだが(下山したくなるから)、沢=谷なので携帯の電波が入らなかったり、地図に載ってない滝に出たりして、滑落したり、すすめなくなったりする危険がある。遭難で一番多いのが道迷いだが、沢に下りないのは登山者の常識である。それなのにベテランでも遭難時に下りてしまうのは、パニックだからである(日没が近づいてきたり、食料がなかったりすると起きやすい)。だから、心のブロック解除で落ち着かせる以外に方法がない」ですね。
という、心のブロック解除に誘導する記事のようです。
あ、ほ、か。
というのも、山で迷子になったとき、こんな潜在意識書き換え方法で何とかなるわけがないからです。マインドブロックバスターでなかったとしても、心がヤバい状態になっている=心理的な焦りなので、心理的にアプローチしても、たぶん自分がヤバい状態になっていることにすら気づかないし、そもそも正常にかからない可能性があります。
で、正しい遭難時の対処法は下記。
- その場で水や食事をとる
- 落ち着いてきたら地図とコンパスを取り出し、自分がどこにいるかを同定する(GPSがあれば、より簡単に特定できます)
- 携帯がつながるなら、地元の警察に110番して救援をお願いする
- 家族に連絡をとる
- 可能なら職場に連絡して休みをもらう
- 日没前など、動けるなら自分がたどってきた道を戻る
- 動けない場合は、その場で体温を奪われないように保温してビバーク
- そもそも無理な計画を立てない、登山届を警察に提出してから登る
心理的なアプローチはまったくもって必要ではないのです。というか、水と食事が入ると体が落ち着きを取り戻しますので、よほど大きな遭難でなければ、引き返す、という選択ができるようになります。(私自身、単独で里山に入って迷子になったことがあります。このときも、この知識を利用して正気に返り、日没前の熊が活動する時間帯だったので、上記にプラスして木に登って方角を確かめてから、里に下りました)
この記事の問題点
たまたま、私が山岳遭難や登山の経験者だったから気づきましたが、そうでなければ、たぶん「そうなんだ。ブロック解除って有効なんだ~。研究してみよ」と騙されてしまっていたと思います。
ですが、本来の対処法がちゃんとあるのに、それを書かずに「ブロック解除で何とかできる」と言い張ってしまったら?そして、それを信じた人が実際に遭難したとき、実践してしまったら?取り返しがつかないことになる危険は、大いにありますよね。
医療などでも問題になっているこの現象、スピでも普通に起きます。
つまり、自分の売りたい方法のせいで、本来の正しい対処法にアクセスできなくなる人が出てしまうという、殺人行為が起きるわけですね。ですから、私が「科学的知識が必要です」だの「宗教を学んでください」だのと口うるさいのは、こうした危険を回避するため。プロならおかしな情報で殺人行為をしないため、相談者様なら、おかしな情報で自分の寿命を縮めないためです。
実際、反ワクチンは世界中で盛り上がってますが、破傷風菌なんかは普通に土の中にいますので、予防接種で抗体を作っておかなかったらかかります。で、破傷風って口が開かない→ちょっとした刺激で背中の筋肉が過度に緊張して骨折とか普通に起きる→そこから呼吸困難で死亡する、という怖い病気で(しかも死ぬまで意識ははっきりしてるので、超痛いまま苦しんで死亡)、北里柴三郎が血清を作ってくれる前は、本気で死の病気だったわけです。
その原因菌が普通に存在するって知ってるかどうかで、反ワクチンするかどうか、判断できますよね。
また、現在のワクチンは安全なものも増えていますので、飛行機事故より低い確率の副作用が怖くない、というのも知ってるかどうか。(ついでに副作用は30分以内に出ますので、病院から出なければ普通に対処してもらえます)
ね。
正しい情報を知ってないと、死の病気にかかるリスクを冒しちゃうわけで。
問題の記事を書いた人は、山に登ったことはあっても、連れてってもらうばかりで自分で計画して登ったことがないか、または登山届をちゃんと提出する「本来の」登山をしたことがないかなんでしょう。遭難したことがないのは割と普通ですが。
人の批判するのはお行儀悪いですが、これは見逃せんわ。
こうした記事を書かないために
出版の世界では「裏どり」がとても大事です。つまり、正確かどうか、確認してから公開すること。昨今、勝手な憶測で無実の人がネットリンチに遭う被害が相次いでますが、これは裏どりがちゃんとできてない最たる例です。
ですから、スピ記事を書くなら「現実的な方法を調べる」「併記する」ことを徹底しましょう。
山岳遭難については、山の愛好家がたくさん記事を書いてくれてますので、10本も読めば、対策がちゃんとわかるはずです。医療記事の場合は、医者や医療機関が出している批判的な記事も読み、両方の立場から書くこと。とくに体のことは罪深いですから、徹底してください。
つまり、「書いてる自分を信用しない」ことが大事です。
また、スピ記事をパクらないことも大事。
その記事が間違っていたら、あなたの記事も間違います。
そもそも、パクりは剽窃(ひょうせつ)とか盗用と呼ばれ、著作権を侵害する行為です。最悪裁判になっても文句は言えません。ですから、自分の頭で考え、裏をとること。当たり前ですが、これを徹底するようにしてください。
あなたの発信が、人を殺さないように。
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